
現代人の不安と焦燥を掻き立てる鮮烈演奏
あらたな首席指揮者による
マーラー交響曲シリーズ第1弾
レーベル:LSO Live
商品番号:LSO 0661(SACD hybrid)
発売時期:3月中旬
2007年1月1日よりLSO第15代首席指揮者に就任したワレリー・ゲルギエフ。2007/08年の今シーズンに、あらたなシェフが手兵LSOと取り組んでいる真っ最中の一大プロジェクトがマーラーの交響曲全曲シリーズ。なんともすばらしいことに、このたびLSO Liveでリリースが実現することに決定しました。ゲルギエフにとって初のマーラー録音となる第1弾は、昨年11月22日本拠バービカンにつづき、24日ブリュッセルのパレ・ド・ボザール、そして25日アムステルダムのコンセルトへボウでも大きな話題を呼んだ第6番「悲劇的」。
ひとくちにいってゲルギエフ&LSOによる当演奏の特徴は、アルバム一枚に収められたことからもわかるように全曲を通じたその快速テンポにあります。“速く力強く、しかし過度にならないように”という指定を無視して、なにかに追われるようにひたすら突進する第1楽章。さらに、ちょうどマリス・ヤンソンスがLSOを振った第6交響曲のライヴ(2003年10月 / LSO.0038)と同じく、第2楽章に置かれたアンダンテ。マーラー屈指の麻薬的な美が凝縮したこの場面でさえも、けっして完全なる陶酔を約束してはくれず、フィナーレにいたっては崩壊寸前までさらに加速度を増してゆきます。この一見あまりに無謀かのように思える速すぎるテンポ設定こそ、ゲルギエフがマーラーの内包する神経症的側面をえぐり出し、現代に生きる不安と焦燥を掻き立てあらためて呈示するための必然的選択だったのではないかと思えてくるのです。
「フィナーレでの2度の運命のハンマー打撃で、ハリウッド映画の手に汗握るカーチェイスのようにじつに刺激的。巨大な木槌を担当した打楽器奏者は、まぎれもなくオスカー受賞に値するパフォーマンスをした。」(タイムズ紙)
「(アダージョでの)カウベルの不思議なほど柔らかいパッセージにおいてさえ、郷愁を誘う余地が皆無で、夢というより悪夢のように響いた。もしこれがこのシリーズの展開の兆候であれば、わたしたちはなにかすばらしいものに出会えそうだ。」(テレグラフ紙)
「ゲルギエフの神経症的なアプローチは、突如マーラーのものと完全に一致していた。」(インディペンデント紙)
力強さと確信に満ちたゲルギエフと手兵LSOによる、まったく新しいマーラー像を予感させる大注目のシリーズ。賛否両論を巻き起こすことは覚悟の上、好むと好まざるとにかかわらず、今後に最高の話題を提供しつづけるのはまちがいないでしょう。
マーラー:交響曲第6番イ短調「悲劇的」
ワレリー・ゲルギエフ(指)ロンドンSO.
録音:2007年11月22日ロンドン、バービカンホール(ライヴ)
プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン
エンジニア:ジョナサン・ストークス&ニール・ハッチンソン
