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ゲルギエフ&ロンドン響による「巨人」

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超優秀録音
マーラー交響曲全集シリーズ第2弾
大胆にして繊細。かつてなくスキャンダラスな演奏の誕生。

レーベル:LSO Live
商品番号:LSO 0663(SACD hybrid)
発売中

首席指揮者ゲルギエフを立てLSO Liveがその看板にかけて、鳴り物入りでスタートさせたマーラー交響曲全曲シリーズ。各紙のレビューが真っ二つに割れたことが示すとおり、第2弾「巨人」もまた、聴き手を唸らすかなり個性的な内容となっています。
期待と関心の高さから実演の数ヶ月前にはすでにチケットが完売したといわれる、ゲルギエフによる「巨人」。本来、マーラーのシンフォニーのなかでも比較的親しみ易いものであるはずの作品ですが、そこは鬼才ゲルギエフ。ここでも既存のマーラー観をことごとく破壊しようとでもするかのように、挑戦的なアプローチが随所に試みられています。たとえば第3楽章。いつものメランコリックなにおいが減退したのに反比例して、これまで描かれたことのない魅惑の場面があらたに提示されているのはなんとも刺激的な体験です。

“葬送行進曲をもじった緩徐楽章では、断片的に少なからず魅力があり、すべてが過剰なほどはるかに洗練されていた。しかも、ほんのわずかだけれども、なかには絶妙に研ぎ澄まされた弦の演奏により、申し分のない満足感が得られた。”―クラシカルソース・ドットコム

このほかにも大胆なテンポの設定に始まり各声部の出し入れと、聴いたこともない驚きの仕掛けがいろいろと施されていることに気付かされるでしょう。そしてついにゲルギエフの野獣的な感性が一気に爆発して大荒れのフィナーレへとなだれ込みます。

“そう、アッチェレランドは発狂したように速かった。しかし、詰まった鼻が一気に通るようなフィナーレの叫喚は、私がLSOから聞いたなかでも最も刺激的なことのうちのひとつでだった。”―インディペンデント・オン・サンデー

おもえば、このような思い切ったアプローチがアイデア倒れに終わることなく成立可能な背景として、指揮棒なしのゲルギエフのニュアンスに難なく応えられるほどに、じつはLSOがマーラーをレパートリーの血肉としているという事実も見逃せないところ。それにしても、あたかもマーラー自身が創作過程でもがいたのを辿るかのように、賛否が渦巻く中で指揮者が試行錯誤を繰り返しながら進めてゆく、こんなマーラーのシリーズがかつてほかにあったでしょうか。

“ゲルギエフは絶え間なかった。すなわち攻撃性と不調和は、すべてが終わるまでステージを占拠していた。もし、心の奥底からの、背筋がゾクゾクする、危ういマーラーが好みならば、これこそまさにあなたにピッタリだ。…ほんとうにLSOはゲルギエフのために興奮しながら演奏している”―ガーディアン紙

従来とは一線を画すマーラー像を打ち立てることに強い意欲を燃やすゲルギエフによる「巨人」。やはり物議をかもした第6番(LSO.0661)がふたを開けてみれば圧倒的な支持を受けている状況から、ありきたりの演奏にもはや飽き足らない真のマーラー好きには大いに歓迎されるにちがいありません。

マーラー:交響曲第1番ニ長調「巨人」
ワレリー・ゲルギエフ(指)ロンドン交響楽団
録音:2008年1月13日ロンドン・バービカンホール(ライヴ)
プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン / エンジニア:ジョナサン・ストークス&ニール・ハッチンソン