
超優秀録音
歿後200年ハイドン・イヤーにおくる超強力盤
レーベル:LSO Live
品番:LSO 0628(2SACD hybrid)
発売時期:5月中旬
ハイドン歿後200周年を迎える2009年、LSO Liveがおくる超強力盤はデイヴィスによる「天地創造」。巨匠が80歳の誕生日を迎えるシーズンの呼び物のひとつとして、2007年10月におこなわれたライヴです。
「天地創造」は晩年の2度にわたる英国滞在中に、「メサイア」などヘンデルの大作におおいに触発され着想した、その規模内容ともにハイドンの最高傑作といわれるオラトリオ。旧約聖書の「創世記」と「詩篇」、ミルトンの「失楽園」をテキストの題材として、神による創造の第1日から第4日まで、生き物が出現する第5日と第6日、そしてアダムとイヴの登場と、創世の七日間を時系列に沿って3部構成で描いています。このように直截的にキリスト教的世界観で彩られた内容と、絵画的ともいうべき巧みな手法でわかりやすく活写される動物たちの魅力や、大合唱が動員されて聞き栄えすることなどから、欧米ではとりわけ人気も高く特別な作品として迎えられています。
ほかにも折に触れてすぐれた腕前で声楽作品を意欲的に取り上げてきたデイヴィスだけに、内容的にも「天地創造」との相性が悪かろうはずもなく、こちらとしても演奏の出来栄えに寄せる期待が大きくなってしまうのもむしろ自然なことなのかもしれません。
このたびの特色としてデイヴィスはヴァイオリン両翼型配置を選択。舞台下手から第1ヴァイオリン、チェロ、指揮者のすぐ正面に通奏低音、ヴィオラ、第2ヴァイオリン、上手奥にコントラバスという具合に、2006年12月の「メサイア」(LSO.0607)のときと同じくヴィブラートも控えめに、あきらかにピリオド・アプローチを意識したアプローチを行なっている点も注目されます。
なお、声楽陣では「優秀さがあまりに凄すぎてそのためかあまり強調されることがありません」(クラシカルソース・ドットコム)という、LSOに匹敵するもうひとつの手兵ロンドン・シンフォニー・コーラスに加え、目を引くのが名実ともにスター歌手を揃えたソリストたち。クリスティ盤のラファエルや、ヤーコプスの「四季」でのシモンが知られるヘンシェル。ミンコフスキの指揮でザルツブルク音楽祭2009でも同名役を歌う予定の、英国の誇りボストリッジ。そしてデイヴィスのお気に入りでマシューズという顔触れが並んでいます。
あらためて、当ライヴが取り上げられた時期については、デイヴィス80歳ガラ・イヴニングとして9月に行なわれたモーツァルトの「レクィエム」(LSO.0127, 0627)、さらに12月のティペットの「われらが時代の子」(LSO.0670)、そして前作、翌2008年4月のマクミランの「聖ヨハネ受難曲」世界初演(LSO.0671)と、声楽つきの大曲ばかりを立て続けに組んだ流れにあって、この上ない充実ぶりをみせているという事実も見逃せないところでしょう。
ハイドン:オラトリオ「天地創造」(全曲)
サリー・マシューズ(S 天使ガブリエル、イヴ)
イアン・ボストリッジ(T 天使ウリエル)
ディートリヒ・ヘンシェル(Br 天使ラファエル、アダム)
ロンドン交響合唱団(合唱指揮:ジョセフ・カレン)
サー・コリン・デイヴィス(指)ロンドン交響楽団
録音:2007年10月7日ロンドン、バービカンセンター(ライヴ・DSDマルチチャンネルステレオ)
プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン
エンジニア:ジョナサン・ストークス & ニール・ハッチンソン
