
超優秀録音
黄金時代を迎えたLSOを得て、23年ぶりのライヴ再録音
レーベル:LSO Live
品番:LSO 0689(SACD-hybrid)
発売中
巨匠ハイティンクを迎えたLSO Live最新アルバムは、R.シュトラウスの「アルプス交響曲」。2008年6月8日と10日、年内限りでコンサート活動からの引退を表明していたアルフレート・ブレンデルがモーツァルトのピアノ協奏曲第24番を弾くことでも話題を集めた舞台で、両日ともコンサート後半に演奏されたプログラムです。
【シュトラウスのエキスパート、ハイティンク】
交響曲全曲録音を通じて特にマーラー、ブルックナーのスペシャリストとして名高いハイティンクにとって、R.シュトラウスもまた巨匠にとって重要なレパートリー。メンゲルベルクとともにシュトラウスより「英雄の生涯」を献呈された、ゆかりあるロイヤル・コンセルトへボウ管(RCO)の首席指揮者(1961-1988)を長年にわたり務めた経緯もあってのことでしょう。ハイティンクは主要な交響詩をRCOとともにレコーディングしています。
まず、その「英雄の生涯」を1970年にセッション録音、1973年に「ドン・ファン」と「ツァラトゥストラはかく語りき」をセッション録音、1977年に「ドン・キホーテ」をセッション録音、1981年に「死と変容」と「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」をセッション録音したのち、さらに1982年には「ドン・ファン」をセッションで再録音、そして1985年に「アルプス交響曲」をセッション録音しています。
また、舞台作品では1990年に「ばらの騎士」全曲を、やはり作曲者とのゆかり深いことで知られるシュターツカペレ・ドレスデンとセッションで録音していたことなども記憶されます。
なお、ハイティンクは同じLSOで「英雄の生涯」を、このたびの「アルプス交響曲」より一週間後、2008年6月15日と17日にバービカンで指揮していましたし、現在首席指揮者のポストにあるシカゴ響と「英雄の生涯」を2008年12月のシカゴにつづき、2009年2月の来日公演でも取り上げており、本拠地シカゴでの模様はCSO RESOUNDよりCD化も予定されています。
こうしたシュトラウス作品に関する録音と実演両面の充実ぶりは、そのままハイティンクのエキスパートとしての姿を明らかにするものといえるでしょう。
【ハイティンク&LSO、ライヴによる再録音】
RCOとのセッション録音を経て、あらたにLSOとのライヴでのレコーディングという流れが、2003年と2004年に行なわれたブラームス、2005年から2006年にかけてのベートーヴェンの交響曲全集と共通する、ハイティンク指揮によるシュトラウスの「アルプス交響曲」。前回のRCOとの「アルプス交響曲」は名門の熟成されたひびきを存分に活かしたみごとな内容でしたが、以来じつに23年ぶりのハイティンクにとっての再録音は、LSOにとっても1990年のフリューベック・デ・ブルゴスとのセッション録音以来となるものです。
【傘寿を迎えた巨匠ハイティンクと黄金時代を迎えたLSO】
伝統ということにかけては1904年の楽団創設より一世紀以上の歴史があるLSO。2009年3月に傘寿を迎えたハイティンクに加え、プレジデントのコリン・デイヴィス、首席客演指揮者のハーディングにティルソン・トーマス、そして、あらたな首席指揮者ゲルギエフの加入による刺激もおおきな要因とおもわれますが、多彩な顔ぶれで、いままさに黄金時代を迎えています。
「堂々たる暗闇より現われ、また暗闇へと陥ってゆき、ハイティンクとその手兵は作品のいかなるドラマにも敏感に反応していた。けれども、おそらくは、このうえない静寂の部分こそが、シュトラウスのスコアとこのパフォーマンスとで最も印象的であった。」(クラシカルソース・ドット・コム)
「リヒャルト・シュトラウスのアルプス交響曲のみごとなパフォーマンス。山頂への長い道のりが、ここまでたしかな決意をもって感じられたことはめったにありませんでした。ハイティンクが日の出の、そして夕闇におけるオーケストラの色彩を完璧に統率したことによって、ちょうど色彩の束が暗闇のモノクロームの輪郭から浮かび上がり、そしてふたたび陥ってゆくように、この演奏は、音楽それ自体をめぐる形而上学的な葛藤と克服を具現化するものとなりました。」(タイムズ紙)
各紙レビューが伝える状況からも、ハイティンクとLSOがあらたに取り組んだ「アルプス交響曲」でどのような内容を聴かせてくれるのか、おおいに期待されるところです。
R.シュトラウス:アルプス交響曲Op.64
ロンドン交響楽団
ベルナルド・ハイティンク(指)
録音:2008年6月8 & 10日ロンドン、バービカンセンター(ライヴ)プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン
エンジニア:ジョナサン・ストークス&ニール・ハッチンソンCD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.1 SURROUND
