ポルトガル風の~イベリアの協奏曲とソナタ集

シュタイアーが誘う18世紀イベリア半島への旅

  • アーティスト:アンドレアス・シュタイアー
  • レーベル:HARMONIAMUNDI
  • 品番:HMM-902337
  • ジャンル:ジャンルクラシック音楽史/古楽
  • 価格:オープン価格
  • 形態:CD

TRACK LIST

À Portuguesa~ポルトガル風の~イベリアの協奏曲とソナタ集

・ウィリアム・コルベット(1680-1748):協奏曲「ポルトガルの」op.VIII-7 変ロ長調
(協奏曲集「Le bizzarie universali」より)
・ジョゼ・アントニオ・カルロス・デ・セイシャス(1704-1742):協奏曲 ト長調
・ドメニコ・スカルラッティ(1685-1757):
ソナタ ト短調 K8(アレグロ)、ト長調 K13(プレスト)、ロ短調 K173(アレグロ)
・チャールズ・エイヴィソン(1709-1770): 合奏協奏曲第5番 ニ短調
(D.スカルラッティのハープシコードのための2巻の作品集による12の協奏曲集より)
・ボッケリーニ(1743-1805)/シュタイアー編:
 小弦楽五重奏曲「マドリードの通りの夜の音楽」(マドリードの夜警隊の音楽)op.30-6

アンドレアス・シュタイアー(チェンバロ、指揮)
オルケストラ・バッローカ・カーザ・ダ・ムジカ
収録:2018年2月、テルデックス・スタジオ、ベルリン

★シュタイアーと行く、18世紀スペイン・ポルトガルの世界。À Portuguesa ~ポルトガル風の~イベリアの協奏曲とソナタ集と題した、18世紀のイベリア半島にまつわる音楽集の登場です。ヴィルトゥオーゾ的要素もあるセイシャスの充実の協奏曲や、ボッケリーニがマドリードの喧騒を描いた作品から、イベリア半島の音楽の需要が高かった英国で生まれた、イベリア半島に由来する音楽までを網羅した非常に凝ったプログラム。D.スカルラッティのソナタでは相変わらずの霊感に満ち冴えわたるソロを堪能できます。 ★オルケストラ・バッローカ・カーザ・ダ・ムジカは2006 年にローレンス・カミングスによって結成されたアンサンブル。2015年にシュアイターとブランデンブルク協奏曲で共演しています。当盤ではシュタイアーが指揮をしており、オーケストラのために編曲も行っています。18世紀イベリア半島の音楽が活き活きと響きます。 ★CD冒頭のコルベットは、イギリスの作曲家・ヴァイオリン奏者。1715-26 年、イタリアに暮らしました。協奏曲集「Le bizzarie universali」を2冊(1728年および1742年に)出版しています。文字通りだと「世界の珍しい物(人)」といった意味で、ポルトガルの他にも、ミラノ、シチリア、スペイン、といった様々な土地のスタイルを思わせる作品が入っています。ここでは「ポルトガルの」(といってもイタリア(コレッリ)のスタイルを思わせる部分が濃厚ですが)を題された曲を収録。第2 楽章のノスタルジックさはポルトガルを思わせます。 ★セイシャス(1704-1742)は、18世紀ポルトガル音楽界の中心人物で、リスボンで同時期に活動していたドメニコ・スカルラッティから称賛されていた存在。14歳でコインブラ大聖堂のオルガニスト、そして16歳からはリスボンで宮廷礼拝堂オルガニストに就任、以降亡くなるまでこの職を務めたことは、彼が非常に早熟の天才であったことの表れといえるでしょう。1755年のリスボンの大地震でその自筆譜の大部分が失われたと考えられ、また、筆写譜もほとんど残されていませんが、宗教作品、また、鍵盤のためのソナタなどは700以上書いたとされています。協奏曲は、コインブラ大学の図書館で現在保管されているト長調(1742年頃)のものと、リスボンの図書館に保管されているイ長調(手稿譜、1730年頃?)のふたつがセイシャスのものと確認されています。どちらも3 楽章形式で、終楽章が活き活きとした舞曲になっているのが特徴で、ト短調のものの終楽章はイベリアの舞曲、イ長調の終楽章はイタリア風のジーグの舞曲となっています。疾風怒涛様式をも感じさせる、充実した作品で、ヴィルトゥオーゾ性の強いもの。シュタイアーの切れ味抜群のソロも圧巻です。 ★18世紀の英国では、D.スカルラッティの音楽は、プロの音楽家にも、聴衆にも非常に人気がありました。英国の作曲家で、英国で初めての音楽批評集を出版した人物でもあるチャールズ・エイヴィソンは、D. スカルラッティのソナタを合奏協奏曲に編曲、ドメニコのソナタの世界をさらにふくらませています。 ★ボッケリーニはイタリアの作曲家ですが、当時はチェロの大変な名手としても活躍しました。26歳でスペインの宮廷に招かれ、マドリードで後半生を送りました。「夜の音楽」はもともと2つのヴァイオリン、ひとつのヴィオラとふたつのチェロのために書かれたもので、マドリードの町の、教会の鐘から食堂で輪になって歌い踊る人々まで、躍動感ある生活を描写した音楽です。シュタイアーによる編曲を、オルケストラ・バッローカ・カーザ・ダ・ムジカの面々による情景豊かな演奏でお楽しみいただけます。

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