★日本フルトヴェングラー協会の原盤を使用して音質の大幅刷新が行われており、市販盤としてはおそらく過去最高の音質と言える。(平林直哉)
★「12~13種類、全曲演奏音源がある」と言われているフルトヴェングラーの第九のなかでも、「『ルツェルンの第九』と並んで最も音の状態がよい」といわれている「1953年5月31日ウィーン芸術週間開会演奏会の第九」。原盤は1990年に日本フルトヴェングラー協会から会員向けに頒布された2枚組CD(WFJ-10/11)。「とにかく音がいい、臨場感たっぷりと響く」とファンから大きな評判を呼んでいた協会盤を2014年にキング関口台スタジオでリマスタリングして市販盤として発売(キングレコードKICC-11159/60)。今回、カップリング曲であったベートーヴェンの1番(1952年11月30日)をのぞき、「第九」のみ1枚にしてUHQCD仕様でキングインターナショナルから再発売。
演奏前、楽章間のインターバルもそのまま収録。臨場感もたっぷりに生々しく響くウィーン・フィルの弦!第3楽章「アダージョ」はあのバイロイト盤をもしのぐ感動を与えてくれます。
★協会盤に掲載されたゴットフリート・クラウス(高橋順一訳)の解説より
「このCDには、私の知っているすべての録音の中でも最も直截的なものが刻印されている。なぜならこの録音の中に残されているのはフルトヴェングラーの解釈の内発性の現われや彼の演奏のもっている比類ない緊張だけではないからだ。そこには、フルトヴェングラーと共に、あの「黄金のホール」の比類ない音響の中で演奏したときのウィーン・フィルハーモニカ―の比較を絶した響きを留められているのだ。」