ライヴ・イン・ヨーロッパ

キャリア最高の状況を更新し続けるフレッド・ハーシュ
自らはもちろん、ジョン、エリック、3人が対等になって高みに達した一夜
アーティスト自身、30有余年の活動歴で“ベストなトリオ演奏”と語る一作
最高のピアノ、完璧な音響、環境も整った2017年のベルギー録音
≪ジャズ史に連なる決定的名演の登場≫

  • アーティスト:フレッド・ハーシュ
  • レーベル:PALMETTO RECORDS
  • 品番:KKE-079
  • 原盤品番:PM-2192
  • 国内盤:(国内仕様)
  • ジャンル:ジャンルジャズ
  • 価格:¥2,530 (税込)
  • 形態:CD
  • 付属品:日本語帯、解説付

TRACK LIST

フレッド・ハーシュ / ライヴ・イン・ヨーロッパ

1. We See (Thelonious Monk) 5:51
2. Snape Maltings (Fred Hersch) 7:24
3. Scuttlers (Fred Hersch) 2:39
4. Skipping (Fred Hersch) 4:49
5. Bristol Fog (for John Taylor) (Fred Hersch) 8:26
6. Newklypso (for Sonny Rollins) (Fred Hersch) 8:40
7. The Big Easy (for Tom Piazza) (Fred Hersch) 6:56
8. Miyako (Wayne Shorter) 7:10
9. Black Nile (Wayne Shorter) 6:44
10. Solo Encore: Blue Monk (Thelonious Monk) 5:17

メンバー:Fred Hersch(p), John Hébert(b), Eric McPherson(ds)

★フレッド・ハーシュ、絶好調のレギュラー・トリオ・ライヴ!!
★本年2018年は、ソロで来日。2008年に病に倒れながら奇跡的な復活を見せ、2013年に5年半振りの来日。それ以来、来日するごとに、健康/体調も回復の様子をみせ、その時ごとの心境もにじませた演奏で多くの観客を魅了し続けていますが、近年のフレッド・ハーシュが、音楽家として再び最高の状態を迎えているのは疑いないことでしょう。
★本作は、そんなフレッド・ハーシュが30年あまりの演奏活動において、リリースした10数作のトリオ作の中で、自ら最高のトリオ・レコーディングと表明する一作!
★録音は2017年11月、ベルギー。フレッド・ハーシュは、この時、3週間に及ぶヨーロッパ・ツアーを敢行。本録音は、その最後から2番目のコンサートを収録したもので、ハーシュ曰く、「ピアノも最高にすばらしいもので、音響もパーフェクトだった」とのこと。そして、演奏後すぐに、「いい演奏が出来た“感覚”をもてた日だった」のだとか。しかし、収録された演奏を帰国して聴いたところ、さらに驚いたのだそうです。「自分の演奏だけでなく、トリオのメンバーのジョン・エベール、エリック・マクファーソンの演奏も、最高!このトリオで活動して9年。今では、3人がいつも完全にイコール(対等)。演奏中はいつも同じ言語をシェアしているけれど、創造性、内容、エネルギーのレベルにおいて、改めて“打たれるものがあった”」とのことです。
★現代のマエストロ自身が言う録音ですから、その内容はもちろん確かですが、3人の演奏は、テレパシーで繋がっているようでもあります。言ってみれば“当意即妙”という言葉も極めて近いものでありつつ、3人の演奏は、それぞれの心や感覚も通じあって“ピッタリに合っている”というレベルに達しています。
★オープニングのモンク・ナンバー“We See”は今回の来日でもソロで大きな反響を巻き起こしましたが、ユーモア感覚もたっぷりに、軽妙かつ、3者が絡み合い続ける演奏は、正に完璧。M4の“Skipping”の変遷も実に興味深いもの。この曲は、トリオでの初めての作品『Whirl』に収録された曲。その時は、トリオとしての演奏歴も浅く、ハーシュ自身も健康的にまだ、不安定だった時期で、今回の演奏はハーシュ自身も「何年もかけて、変化し、発展した演奏になった」と語る演奏になっています。一方、M5は、ハーシュならではの美的なピアノが表現された演奏。この曲は、最も好きなピアニストの一人と語るイギリスが生んだピアノの詩人ジョン・テイラーに捧げた曲。ノーマ・ウィンストン、ケニー・ホィーラーとのアジマスなど大好きなグループだったと語るハーシュ。この曲には、テイラーがもっていた世界観と、煌めきのようなものがあり、リスペクトの深さがあふれます。一転M6はジャズ全般において自身のヒーロー的存在というソニー・ロリンズに捧げたカリプソのムードが楽しい一曲。かつてハーシュは、「大切な誰かを思い浮かべると自然に曲が浮かんでくるんだ」というようなことを語っていましたが、ジョン・テイラーに捧げた“Fog”しかり、この“Newkl ypso”しかり、アーティストの表現の真意に迫るコンポジションは、見事としか言いようがありません。また尊敬してやまないウェイン・ショーターの2曲からは、ミステリアスなロマンティシズムあふれる世界が、ニューオリンズをベースにした小説家の世界に誘う“The Big Easy”からは古き良きアメリカの世界が漂います。
★ハーシュ曰く「深刻な昏睡状態に陥って10年近く。今回のような演奏が出来て、作品をリリース出来ることになって、改めて自分が非常にラッキーであったことを思い起こした」とも。現在までに12のグラミー・ノミネートを受け、その9つが、大病の後であることにも改めて驚きますが、自伝の出版あり、ドキュメンタリー・フィルムの上映あり、世界中からの評価と、オーディエンスの支持あり、最高の人生をみせてくれる音楽家、フレッド・ハーシュ。その存在には、同時代に生きる誇りさえも感じさせてくれるものがあります。

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