■オスロのDIY・インディシーンの秘宝=André Borgenの18年作が登場！
■00年代初頭から音楽活動を開始・これまでもいくつかの小さなレーベルから作品を限定的にリリースしてきた彼ですが、オスロのインディシーンでその名前を知らない人はいないと言われる程に特別視されてきた象徴的な演奏家でもあります。実験音楽の雰囲気を引き継ぎながら、それを遊び心とポップネスで包んで表現して生み出された本作では、ほぼ全ての楽器を自分自身で演奏・多重録音されています。そして彼を象徴する優しげで率直な歌声の旨味がここにて大爆発。優しげでチャーミング・ヨレヨレでユルユル・メランコリックで誠実で浮遊感溢れるこの音響世界は、アシッドフォークを経由してローファイに行き着いた感じでしょうか。彼の音楽はティム・バックリィやダニエル・ジョンストン、さらにはマック・デマルコからアンディ・シャウフとも近接しながら実に個性的…そして涙なくして聴けない楽曲ばかりなのです。
■休止期間を挟んでリリースされた本作のテーマはずばり"人生の暗い時期に関する洞察"。「人生の暗い部分が常に問題であるとは限らないが、重要なのはそれらをどのように見るのか」と本人が語るように、ここには困難な時期を迎えたひとたちへの優しい視点とささやかな光が封じ込められています。