ストラヴィンスキー:結婚(1919年オリジナル版)

レ・シエクルの手兵合唱団アンサンブル・エデス、凄すぎる声の力による「結婚」と「ボレロ」

  • アーティスト:マチュー・ロマーノ、アンサンブル・エデス、レ・シエクル
  • レーベル:APARTE
  • 品番:AP-300
  • ジャンル:ジャンルクラシック声楽曲
  • 価格:オープン価格
  • 形態:CD
  • その他の製品情報:ディジパック仕様  24bit/192kHz

TRACK LIST

ストラヴィンスキー:結婚(1919年オリジナル版)

①ロシア民謡「つまらん連中」
②ストラヴィンスキー:結婚(1919年版)(テオ・フェルベイ完成版)
③ラヴェル(ロビン・メルヒオール編):ボレロ(合唱と小器楽アンサンブル版)

マチュー・ロマーノ(指揮)アンサンブル・エデス、レ・シエクル
アメリ・レゾン(ソプラノ)、ポリーヌ・ルロワ(メゾソプラノ)、マルシャル・ポリア(テノール)、ルノー・ドレーグ(バス)
録音:2022年1月23日パリ音楽院③、2月4-5日ブローニュ=ビヤンクール、RIFFXスタジオ①②

★ストラヴィンスキーのバレエ・カンタータ「結婚」は合唱、4台のピアノと打楽器が織りなす強烈な音響で知られますが、その形態に落着くまで紆余曲折がありました。まず1917年に管弦楽用に執りかかるものの中断、1919年には合唱とピアノラ(自動ピアノ)、ハルモニウム、2台のツィンバロン、打楽器用に着手しますが、生演奏と機械(ピアノラ)の共演やツィンバロンの名手を2人揃える非現実性に気づき前半で中止、最終的に現行版となりました。
★2007年にオランダの作曲家テオ・フェルベイが1919年版を意図通りに完成させる許可をストラヴィンスキーの遺族から得て、全曲が日の目をみました。ハルモニア・ムンディからルネ・ボスが2005年に完成させた版もリリースされていましたが、当アルバムはピリオド楽器のレ・シエクルと、その手兵合唱団アンサンブル・エデスの演奏であることが特別。声楽も正式なロシアの方言指導を受け、農民調に歌っているのが注目です。また、ピアノラ(自動ピアノ)は最新コンピューター制御を駆使。プログラミングをさきの補筆完成したルネ・ボスが務めているのも、作品を熟知する点で重要です。
★アンサンブル・エデスのノン・ヴォブラート唱法はリアルで終始ボルテージが高く、ツィンバロンの効果も抜群。ロシアの民謡唱法も巧みに真似し、あたかも前衛演劇を見るような、3大バレエに劣らぬエネルギーの発散と衝撃に満ちています。
★もうひとつ興味深いのは同じ編成に編曲されたラヴェルの「ボレロ」。リズムは打楽器が担当し、ヴォカリーズによる各歌手とハルモニウムがメロディを受け継ぎますが、音楽自体は原曲に忠実。こちらもノン・ヴォブラート歌唱が高貴さから最後の狂気じみた物凄い盛りあがりまで、声の力を堪能させてくれます。ロト指揮の「ボレロ」はまだディスクがありませんが、レ・シエクルのリズム感と引き締まった演奏から想像が広がります。

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