◆Pol Belardi's Forceは、ルクセンブルク出身のベーシスト･作曲家、Pol Belardi率いるカルテット。今作は曲によりゲストとしてギターとストリングス･カルテットが加わる。
◆幼少期より、クラシック･パーカッション、ピアノ、ドラム、理論、現地でのクラシック･オーケストラ、ロックバンドの経験などをし、また作曲（特にゲーム音楽の書き写しや再アレンジ）にも挑戦。多様な音楽的背景を利用することを恐れない、多作の作曲家となった。今作はもちろん全て彼のオリジナル。
◆ストリングスの低音の不穏なロングトーンとノイズ的なシンバルの擦れる音から始まる。ノスタルジックな旋律が加わる中でも低音が響き、その対比的なサウンドが何かの物語の始まりを予期させ、そこからの壮大なオーケストレーションが効果的に響く。オープニングにぴったりな曲だ。2曲目はコンテンポラリー･ジャズな曲で、Polはビブラフォンも使用。曲後半の展開など、ゲーム音楽的要素を感じさせる。また、サックスとギターが対位法的に交じり合う3曲目。ミニマル的手法を用いた4曲目。その他、美しいバラードあり、アバンギャルドあり、ロック調ありの多種多彩な内容。
◆ブリュッセルとアムステルダムで学び、2014年にベースギターで修士号を最優等で修了した彼にとって、長年の夢が実現したのが今作『Creation/Evolution』だ。「私はいつも私の多くの興味、多才性、創造性を一つの屋根の下に集めたかった。」と語る彼の言葉通りとなった、意欲作だ。