シモン・ラクス:声とピアノのための作品全集

地獄を体験したユダヤ人作曲家シモン・ラクスの全歌曲が初めて日の目を見る!

  • アーティスト:アニア・ヴェグリー、カタジナ・ヴァシアク
  • レーベル:EDITION ABSEITS
  • 品番:EDA-45
  • ジャンル:ジャンルクラシック声楽曲
  • 価格:オープン価格
  • 形態:2CD
  • 収録時間:61:18 57:58

TRACK LIST

シモン・ラクス:声とピアノのための作品全集

Disc1
①ユリアン・トゥヴィムの詩による5つの詩【幸福/同盟/祈り/正誤表/すべて】
②夢想家ディジョ/③ほら吹きグジェシュについて/④宿なし/⑤老いぼれ/⑥天使の顔/⑦涙が流れる/⑧将軍/⑨幸せの福音/⑩幼きイエス/⑪おお母さん⑫わが心の病⑬愛する者へのキス/⑭古いフランスのバラード/⑮小ワルツ
ボーナストラック:アルコール中毒(ミェチスワフ・フォッグ歌、シレーナレコーズ・オーケストラ 1934年録音)
Disc2
①8つのユダヤ民謡/②パサカイユ(ヴォカリーズ)/③ユダヤ人村への悲歌/④葬送/
⑤ヴァンダ・マヤ・ベレゾフスカの3つの詩【私の歌を求めて/人形/小さな囚人】
⑥通り/⑦雨/⑧存在しない鳥の肖像
⑨タデウシュ・シリヴィアクの4つの詩【緑のヴァイオリン弾き/かかし/作曲/木の崇拝】
⑩誰の罪でもない/⑪別れ/⑫もしもお前が

アニア・ヴェグリー(ソプラノ)
カタジナ・ヴァシアク(ピアノ)
ドミニク・ホルヴィッツ(語り)(Disc1の8)
録音:2019年4月29/30日, 8月13/14/16日, 2020年2月10-13日, 2月28日/イエス・キリスト教会(ベルリン)

★シモン・ラクス(1901-1983)はユダヤ系ポーランド人作曲家。生地ワルシャワで学んだ後、パリ音楽院でポール・ヴィダルとアンリ・ラボーに学び同地で活動、パリにいた同胞のタンスマンやシマノフスキ、詩人のトゥヴィムらと活動するものの、1941年にナチスに捕えられ、アウシュヴィッツさらにダッハウの強制収容所へ入れられました。そこで楽団の作曲・編曲担当となったため命こそ保てたものの、一族はすべて殺されました。ラスカは後年フランスで文筆家としても有名となり、収容所での思い出を「死の国の音楽隊」に記し、それは音楽之友社刊の日本語版で読むことができます。
★ラクスより一世代後輩で、同様な経験をしたヴァインベルクの人生と音楽が近年注目されていますが、コンドラシンやフェドセーエフのような献身的な音楽家のいなかったラクスの作品はこれまで演奏、録音で聴く機会がほとんどありませんでした。それゆえ待望の録音登場と申せましょう。
★ラクスにはいろいろな作品を手掛けましたが、本人は歌曲に自信があったとされます。しかし大半がポーランド語によることもあり、期待ほど広まりませんでした。多くが友人のユリアン・トゥヴィムの詩により、深い抒情性とユーモアが魅力。戦後の作品はどれもユダヤ人犠牲者への追悼の念が感じられます。
★彼は戦前のポーランド映画のためにポップス調の歌も作曲しました。楽譜は失われているものの、当時の人気歌手ミェチスワフ・フォッグの録音が残っていたためボーナストラックとして追加。また反戦メロドラマ「将軍」では映画俳優ドミニク・ホルヴィッツがフランス語の語りで参加しているのも注目。最高の演奏陣によるラクス歌曲の決定盤と申せましょう。
★オペラ歌手として活躍するロンドン生まれのドイツのソプラノ、アニア・ヴェグリーが数奇でつらい人生を送ったラクスの世界を見事に表現しています。

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