★13人衆ジャズユニット、ザ・マレット・ホーン・ジャズ・バンドのデビューアルバム(2015年作)がフランスのレーベルKLARTHEからリリース。ゲストには、ロシア出身の管楽器奏者”アルカディ・シルクローパー”が参加。
★今作のゲストであるアルカディ・シルクロッパーは、ロシア/モスクワ出身のフレンチホルン、フリューゲルホルン、アルペンホルンなどの管楽器奏者。シルクローパーは、6歳で金管楽器を始め、1974年までモスクワ軍音楽アカデミーでフリューゲルホルンを学んだ。1985年から1989年までモスクワ・フィルハーモニー管弦楽団のメンバーとして、世界各地で数多くのコンサートツアーを行った。ソロとして、1991年以降はトリオを結成するなど、独自の活動を展開している。1994年には、ライオネル・ハンプトン、エルビン・ジョーンズ、ハーブ・エリスらとアメリカ/アイダホで共演している。
★ザ・マレット・ホーン・ジャズ・バンドの名を冠した今作は、9人のホーン・プレイヤーに、ドラマー、ベース奏者、ヴィブラフォン奏者2人が加わって、ジャズにおけるホーンの役割を再定義した一枚となっており、スタンダード・ジャズ・レパートリーとオリジナル曲の贅沢なラインナップのなかで、ホーン独特の色彩、ニュアンス、音色の幅の広さを表現している。
★アレンジのほとんどは、ホルン奏者のステファン・フィレが担当。また、ほぼ全ての作品で、少なくとも1つのホルン・ソロがフィーチャーされており、多くの場合、セバスチャン・ミッテランが演奏している。特に4曲目の『In Her Family』(パット・メセニー作)でのソロは、スライドを緩く握って演奏するトロンボーンのバラード奏者を彷彿とさせる滑らかなサウンドで楽しめる。
★アルカディ・シルクローパーが作曲した「Cobra」という曲では、音符やリズムだけでなく、バス・クラリネットのパーカッシブな演奏スタイルなど、あらゆるエフェクトを駆使して、ホルン全開のソロ・イントロダクションを演奏している。曲全体を通してホルンのグループをセクションごとに使い分けることで、マニアックな興奮を生み出している。