This Bitter Earth

セシル・マクロリン・サルヴァントに続く
Mack Avenue正統派ヴォーカリスト、ヴェロニカ・スウィフト
現代が抱える社会問題に焦点を当て、メッセージ性を強く打ち出した新作
4ビート的な王道の表現に加え、ミュージカル、R&B的なサウンド、ロック、フォークまで
表現の幅も広げ、本格派の歌唱を聴かせる注目作

  • アーティスト:Veronica Swift
  • レーベル:MACK AVENUE RECORDS
  • 品番:MAC-1177LP
  • ジャンル:ジャンルジャズ
  • 価格:オープン価格
  • 形態:2LP

TRACK LIST

Veronica Swift / This Bitter Earth

Side A
1. This Bitter Earth 4:26
2. How Lovely to Be a Woman 4:09
3. You’ve Got to Be Carefully Taught 5:14
Side B
4. Getting to Know You 6:18
5. The Man I Love 4:48
6. You’re the Dangerous Type 4:23
Side C
7. Trust in Me 5:18
8. He Hit Me (And It Felt Like a Kiss) 2:08
9. As Long as He Needs Me 4:55
10. Everybody Has the Right to Be Wrong 2:50
Side D
11. Prisoner of Love 4:15
12. The Sports Page 6:19
13. Sing 5:44

メンバー:
Veronica Swift – vocals (all tracks)
Emmet Cohen – piano (all tracks except 8); celeste (4), Yasushi Nakamura – acoustic bass (all tracks except 1, 8), Bryan Carter – drums (all tracks except 1, 8)
And
Lavinia Pavlish – violin (1, 3, 4, 13), Meitar Forkosh – violin (1, 3, 4, 13), Andrew Griffin – viola (1, 3, 4, 13), Susan D. Mandel – cello (1, 3, 4, 13), Aaron Johnson – alto sax (6); bass flute, flute (7), Armand Hirsch – acoustic guitar (8); electric guitar (13), Steven Feifke – conductor (1, 3, 4, 13); background vocals (13), Ryan Paternite – background vocals (13), Will Wakefield – background vocals (13), Stone Robinson Elementary School Choir – background vocals (13), Walton Middle School Girls Choir – background vocals (13)
Producers: Ryan Paternite, Will Wakefield and Todd Whitelock

★セロニアス・モンク・インターナショナル・ジャズ・ヴォーカル・コンペティション2位入賞。ホッド・オブライエン、ステファニー・ナカシアンを両親にもち、正統派ヴォーカリストとして『Confessions』でワールドワイドに存在をアピールしたヴェロニカ・スウィフト。Mack Avenue第2弾にして、メッセージ性を強く打ち出した作品!
★『Confessions』は、移籍第一弾ということもあり、個人的な日記的な側面があったのに対して、本新作『The Bitter Earth』は社会的な問題に自らの感情、主張を反映させた展開。そのテーマは性差別問題、家庭内暴力、人種差別/外国人排斥問題、そして、フェイク・ニュースの危険性という現代が抱える問題に焦点を当てたもの。本作はベロニカが何年もに渡って考え続け、表現したいと思ってきたもの。そして、録音は、コロナのパンデミックによって世界が完全に停止する前の2019年にほぼ取り揃えていたとのことですが、このコロナ問題によって時間を得た彼女は、さらにそれらの問題に関して自問し、作品をまとまりのある物語として仕立てて行くことになったといいます。
★表現の幅も、4ビート的なジャズの王道の表現のみでなく、アメリカのミュージカル、R&B的なサウンド、ロック、フォークまで多彩に広がった印象。しかし、それは、表面的な幅ではなく、原曲が持っているメッセージとの対話から生まれた機微も含んでのもの。例えば、M2の「How Lovely to be a Woman」では、この曲の詩が皮肉を含んでいることを読み取り、従来の劇的な歌唱に“加えて”、ユーモアとアイロニカルな要素を入れてアレンジしたとのこと。また、M8「He Hit Me (And It Felt Like a Kiss)」では、虐待をテーマにした内容を、削ぎ落としたアレンジで、陰鬱なムードを出すようにしたとし、一方、ミュージカル『南太平洋』の挿入歌M3にも主題が持つ重みを表現するように試み、今まで明るさを伴って表現されてきた音楽に“怒りのフィーリングを加え”て表現したとのこと。つまりは、選曲はもちろんのこと、さらに、楽曲と“対話”し、自らの解釈をアレンジや演奏に反映させ、表現しようとする試みと言えます。
★メンバーは、前作から作品を支えていたピアニスト、エメット・コーエンが今回も参加するほか、ベロニカの志を理解する仲間が集合。
★1994年生まれ、2019年の録音のときは25歳。しかし、貫禄は、すでに充分。歌唱力も抜群。先輩であるセシル・マクロリン・サルヴァントとともにレーベルの本格派正統ヴォーカリストとして看板になっていくことを十分感じさせる作品です。

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