Inborn

【名演!】マイケル・ブレッカー、ジョン・アバークロンビーに捧ぐ・・・
尽くせぬ思いを抱く80年代という時代へのバイラークのオマージュ
89年NY、熱い鮮烈な演奏と深いバラード演奏の数々

  • アーティスト:Richie Beirach
  • レーベル:JAZZLINE
  • 品番:N-78049
  • ジャンル:ジャンルジャズ
  • 価格:オープン価格
  • 形態:2LP

TRACK LIST

Richie Beirach / Inborn

LP 1 - Live
1. Paradox (R. Beirach) (7:06)
2. Alone Together (A. Schwartz) (6:17)
3. Inborn (R. Beirach) (9:35)
4. Con Alma (D. Gillespie) (9:22)
5. Sunday Song (R. Beirach) (7:10)
6. In Your Own Sweet Way (D. Brubeck) (8:33)
7. You Don't Know What Love Is (G. de Paul) (R. Beirach) (8:13)
8. Broken Wing (7:08)

LP 2 - Studio
1. My Funny Valentine (Rogers/Hart) (3:50)
2. Leaving (R. Beirach) (6:05)
3. Inborn (R. Beirach) (9:26)
4. Some Other Time (L. Bernstein) (6:20)
5. Sunday Song (R. Beirach) (6:46)
6. Young & Foolish (Horwitt/Hague) (6:31)
7. Paradox (R. Beirach) (6:55)
Recorded April 17 & 18, 1989

メンバー:
Richie Beirach(p), Randy Brecker(tp, flh CD1-1.2.4.6.7.8, CD2-1.2.7),
Michael Brecker(ts CD1-3.4 CD2-3.5), John Scofield(g CD1-1.4 8 CD2-2.7),
George Mraz(b,all the track except CD2-1),
Adam Nussbaum(dsall track except CD 1-3.5, CD2-13.5)

★1980年代のジャズの創造力、熱さを伝える演奏!!
★1947年、ニューヨークに生まれたリッチー・バイラークは、70年代初めからECMで数々の作品をリリース。今は教鞭をとってきたドイツに拠点の中心を移して、演奏活動も行っていますが、80年代への思いは特別なものがあるようです。そして、本作はそんなバイラークの時代への思いと、時代が生んだ創造力を証明してあまりある作品になりました。
★録音は、1989年4月17日と18日、マイルス・デイビスや、ビル・エヴァンス、またマッコイ・タイナーといったアーティストも録音を行ったニューヨークのクリントン・スタジオ。
★メンバーはランディ&マイケル・ブレッカー、ジョン・スコフィールド、ジョージ・ムラツ、アダム・ナスバウム。このバンドは純然たるレギュラー・バンドではなかったものの、リッチー・バイラークが、その時代のオリジナルを含め、自らの表現を形にしたくなった時に集結した特別なグループ。冒頭一曲目を聴けば、如何にメンバーが通じ合っていたか、疑う余地もないというものがあります。アダム・ナスバウムが叩きだす強力なリズム。屋台骨として当意即妙にラインをクリエイトするジョージ・ムラツ。コルトレーン直系と自らを位置付けてやまなかったマイケル・ブレッカー、ハイノートも絶好調に飛ばすランディ・ブレッカー。アウトするフレーズをポップに聴かせるジョン・スコフィールド。そして、モードなフレーズを切れ味鋭いリズムで聴かせる主人公リッチー・バイラーク。この音、正に80年代!!冒頭一曲のみで、この時代の主流派ジャズのある種のスピリチュアリティがあふれだします。そうした演奏はたとえば、名スタンダードとして名高い“You don't Know What Love Is”でもしかり。バラードとしてスローで演奏されることも多いこの曲をアップ・テンポで、疾走感あふれるアレンジで演奏していく所に、このバンドのアイデンティティがあふれてやみません。
★しかし、そうしたパワーが漲る演奏と共に、耳を惹きつけてやまないのが、バラードの演奏。この日の録音は、曲によって構成メンバーが変わりますが、たとえば、トリオで演奏するバーンスタインの“Some Other Time”(CD2-M4)は、エヴァンスを正統的に継承する存在とも言われたバイラークのリリシズムがあふれる演奏。また、マイケル・ブレッカーとバイラーク、ムラツで演奏されるバイラークの名曲“Sunday Song”の慈しみに満ちた演奏は、感涙ものの美しさ。この曲はライヴとスタジオ演奏と2ヴァージョン双方がありますが、マイケル・ブレッカーの繊細なバラード・プレイが聴けるトラックとして、ファン必聴の名演といえそう。ランディ・ブレッカーとのデュオで奏でられる“My Funny Valentine”はチェット・ベイカーに捧げたトラック。またドラムレスの変則トリオで演奏される“Inborn”にも心を浄化するカタルシスさえ感じさせるものがあります。
★バイラーク曰く、“80年代はエヴァンス、コルトレーン、マイルス、モンク、ミンガス、セシル・テイラーといったアーティストが創造力を爆発させた40年代から60年代のような時代とは違うため、歴史的には、革新的で、クリエイティヴな時代とはみられていないかもしれない。しかし、80年代は現代とは明らかに違い、巨匠たちは存命し、常に自分たちにインスピレーションを与え、ハイレベルな音楽が創られ続けてきた”とのこと。その言葉には、ある種の喪失感と、センチメンタリズムというものも感じざるを得ませんが、しかし、こうした演奏が作品化されることで、今という時代に問いかける力も確実に存在していることも感じます。
★スタジオ録音の一部はCD化されていたこともありますが、すでに廃盤になって、久しく、今回は、完全未発表のライヴ・ヴァージョンも収録して、作品化。リッチー・バイラーク自身がライナーノーツを執筆し、マイケル・ブレッカー、そして、先日亡くなったジョン・アバークロンビーに捧げるリリースというのも泣けます。

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