ワインベルガー:「バグパイプ吹きシュヴァンダ」

Profilのゼンパーオーパー・エディション
新刊はワインベルガーの傑作「バグパイプ吹きシュヴァンダ」
オリジナルのチェコ語上演

  • アーティスト:シュターツカペレ・ドレスデン
  • レーベル:PROFIL
  • 品番:PH-13039
  • ジャンル:ジャンルクラシック歌劇
  • 価格:オープン価格
  • 形態:2CD
  • 収録時間:140:27:00

TRACK LIST

ワインベルガー:「バグパイプ吹きシュヴァンダ」
クリストフ・ポール(Br シュヴァンダ) マージョリー・オーウェンズ(S ドロトカ)
ラディスラフ・エルグル(T バビンスキー) ティチナ・ヴォーン(Ms 女王)
ティルマン・レンネベック(Bs 魔術師)
ミヒャエル・エーダー(Bs 悪魔) シメオン・エスパー(T 裁判官,第1の傭兵,地獄の兵隊長)ほか
コンスタンティン・トリンクス(指揮)シュターツカペレ・ドレスデン,ドレスデン国立歌劇場合唱団
録音:2012年3月、ドレスデン

★Profil のゼンパーオーパー・エディション、今回は新しい音源を出してきました。2012年3月に新演出上演されたワインベルガーの愉快なオペラ「バグパイプ吹きシュヴァンダ」、しかもオリジナルのチェコ語上演です。ヤロミール・ワインベルガー(ヴァインベルガー,ヴァインベルゲルとも)は、 1896年、プラハ生まれのチェコの作曲家。「バグパイプ吹きシュヴァンダ」は民話風のとても愉快な物語に、ボヘミア色豊かな旋律を近代的な響きで彩った音楽が付けられた非常に楽しいオペラ。1927年にプラハで初演されるや大成功を収め、1920年代末から1930年代にかけて各地で盛んに上演され、1931年にはメトロポリタン歌劇場でも上演されたほどでした。しかしユダヤ系のワインベルガーは1939年にナチ政権を逃れて米国へ亡命、1967年に亡くなります。「シュヴァンダ」の上演も下火になるものの、ポルカとフーガは人気曲として度々取り上げられ、カラヤンも録音しているほど。またオペラそのものもドイツ語圏でジワリジワリと人気を取り戻しています。ドレスデン国立歌劇場では1930年に初演、さらに1950年にも取り上げられていましたが、どちらもドイツ語訳上演。今回はオリジナルのチェコ語での初上演です。これは大きな評判となり、2014年1月にも再演されました。
歌手はドレスデン国立歌劇場に所属する今伸び盛りの歌手が起用されています。タイトルロールのクリストフ・ポールは、1976年、ハノーファー生まれのバリトン。2005年からゼンパー・オーパーに所属し、非常に多くの役を歌ってバリバリに活躍しています。シュヴァンダの妻ドロトカのマジョリー・オーウェンズは米国、ヴァージニア州出身のソプラノ。彼女もゼンパー・オーパーに所属しており、近年はワーグナーやR.シュトラウスなどのドラマティックな役を手掛けて評判になっています。バビンスキーのラディスラフ・エルグルはチェコ出身の若いテノール。ドイツ語圏を中心に活躍しており、ことにウィーンで人気上昇中です。女王のティチナ・ヴォーンは米国出身のメッゾソプラノ。1998年から2006年までシュトゥットガルト国立歌劇場に所属した後、現在はドレスデン国立歌劇場でドラマティックなメッゾソプラノとして大活躍しています。指揮のコンスタンティン・トリンクスは1975年、ドイツ、カールスルーエ生まれの指揮者。2009年から2012年までダルムシュタット国立劇場の音楽総監督を務めた実力のある指揮者。2013年1月には新国立劇場でワーグナー《タンホイザー》を指揮、さらに同年7月にはバイロイトで《恋愛禁制》を指揮しています。次世代のドイツのオペラ界を担うであろう逸材です。
近代オペラとは言え物語も音楽も極めて分りやすいので、あらすじさえ押さえておけば楽に楽しめるオペラです。同じ1927年に初演されたコルンゴルトの「ヘリアーネの奇跡」ともども、ナチが勢力を拡大する直前の時期の旧オーストリア=ハンガリー帝国の音楽の最後の輝きが実感できることでしょう。

「バグパイプ吹きシュヴァンダ」 簡単なあらすじ
新婚の農家の夫婦シュヴァンダとドロトカの家に大泥棒バビンスキーが逃げて来る。ドロトカに惚れた彼はシュヴァンダを唆して冒険の旅へと出かける。二人は魔術師のせいですっかり塞ぎこんでしまった女王の元へと向かう。シュヴァンダがバグパイプを吹いて陽気な音楽を奏でるや、魔法は解け、女王は晴れ晴れとした気持ちになる。喜んだ女王はシュヴァンダに結婚を申し込むが、そこにドロトカが現れて女王を非難するので、二人は捕らえられる。裁判で死刑を宣告されたものの、バビンスキーの助けでシュヴァンダが再びバグパイプを吹いて脱出に成功する。嫉妬の収まらないドロトカに対してシュヴァンダは、もし女王と少しでもキスしていたら地獄に落ちてもいいと慰めるが、実はキスしていたので即座に地獄に落ちてしまう。地獄では悪魔がシュヴァンダにバグパイプを吹くよう求めるが彼はそれを断る。地獄へ下りたバビンスキーは、悪魔を相手にいかさまでカード勝負に勝ち、シュヴァンダを解放する。シュヴァンダはバグパイプを吹き鳴らし、地獄中が陽気に踊り出す。地上に戻ったシュヴァンダをバビンスキーは騙してドロトカを諦めさせようとするが、シュヴァンダは妻と再会して二人は大喜び。彼女を盗めなかった大泥棒バビンスキーは残念がりながら去って行く。

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