源泉

グリーグ、ブルースタ、オールセン、トーレセン
ノルウェー民謡の「源泉」をたどる1枚

  • アーティスト:サンデル・ティングスタ、イングフリ・ブライエ・ニューフース
  • レーベル:SIMAX
  • 品番:PSC-1385
  • ジャンル:ジャンルクラシック室内楽
  • 価格:オープン価格
  • 形態:CD

TRACK LIST

源泉

エドヴァルド・グリーグ(1843–1907):ヴァイオリン・ソナタ第2番 ト長調 Op.13(1867)
ビャルネ・ブルースタ(1895–1978):民話組曲(Eventyrsuite)(ヴァイオリン・ソロのための)【1.自然とフルドラ(ファンタジア)2.ヴェスレフリック(アレグレット)3.子守歌(アンダンテ)4.トロルの水車場(アレグロ)】
カール・グスタフ・スパッレ・オールセン(1903–1984):ロムの6つの古い村の歌(1929 rev.1929/49)(マス・エーリック・オッデ(1991-)編曲)(ヴァイオリンとアコーディオンのための)
ラッセ・トーレセン(1949–):YR Op.23(1991)(ヴァイオリン・ソロのための)

サンデル・ティングスタ(ヴァイオリン) イングフリ・ブライエ・ニューフース(ピアノ) マス・エーリク・オッデ(アコーディオン)

録音:2021年9月21日–25日 ソフィエンベルグ教会(オスロ、ノルウェー)
制作・録音エンジニアリング・マスタリング:ショーン・ルイス

★エドヴァルド・グリーグは、かつて、ライプツィヒでの留学を終え、コペンハーゲンで2年間を過ごした後、ローマに行きました。この旅を思いついたわけは、彼が、「民俗音楽やナポリの歌が高められた」イタリアのオペラに接することで、芸術音楽が民俗音楽からどのように発展することができるのかを理解したいためだった、と言われています。そしてグリーグは、ノルウェーで人々が代々伝えてきた音楽を芸術音楽に再生することにより、「ノルウェーのアイデンティティ」を示すことに力を注ぎました。「民俗音楽は、誇りをもち、純粋で真正でなければならない。なぜならそれが、これからのノルウェーの音楽作りすべての基礎となるに違いないからだ」(エドヴァルド・グリーグ)
★アークティック・フィルハーモニックのヴァイオリニスト、サンデル・ティングスタ Sander Tingstad(1991–)のアルバム『源泉』は、ノルウェーの民俗音楽が作曲家の音楽と演奏家の演奏スタイルに与えたインスピレーションをさまざまな姿で示すというコンセプトで制作されました。
★グリーグ Edvard Grieg の《ヴァイオリン・ソナタ第2番 ト長調》は、彼がノルウェー固有の文化を構築することを真剣に考えていた時代、1867年の夏にクリスチャニア(現、オスロ)で作曲されました。彼の3曲の「ソナタ」のなかでもっとも「ノルウェー」の色彩が濃く、約10年後に彼が「民俗音楽と芸術音楽」を美しく融合させることになる《第3番》への足がかりとなった作品とみなされています。
★この曲で共演するピアニスト、イングフリ・ブライエ・ニューフース Ingrid Breie Nyhus(1978–)は、民俗音楽学者スヴェン・ニューフースの子に生まれ、伝承の音楽に囲まれて育ちました。「フォークとピアニズムの間の解釈と演奏」をテーマにした論文で博士号を取得。グリーグの《スロッテル》(Simax PSC 1287)を父の校訂した「新ピアノ版」で録音して注目されました。《ヴァイオリン・ソナタ》のこの演奏では、ティングスタと彼女の「即興」の音楽によって第1楽章から第2楽章への橋渡しが行われます。
★スパッレ・オールセン Carl Gustav Sparre Olsen の《ロムの6つの古い村の歌》は、『ペール・ギュント』で知られるグーブランスダーレンのロムで出会った伝承の歌から選んだ6曲を素材にした作品です。ソロ・ピアノのために書かれ、ヴァイオリンとピアノ、ヴァイオリンと弦楽オーケストラの版も作られました。このアルバムでは、マス・エーリク・オッデ Mads Erik Odde(1991–)による「ヴァイオリンとアコーディオン」のための編曲が演奏されます。オッデは、ロム生まれ。オスロのノルウェー国立音楽大学の民俗音楽修士号を取得、アルバム『Logne Slattar』で2021年のスペルマン賞(ノルウェー・グラミー賞)を受賞しています。
★ビャルネ・ブルースタ Bjarne Brustad の《民話組曲》は、ヴァイオリンとヴィオラのプレーヤーでもあった彼のもっともよく知られた作品です。美女の姿をした森の妖精フルドラ、ヴェスレフリック、トロルといったノルウェー民話のキャラクターをヴァイオリン・ソロの音楽に描いています。この作品とラッセ・トーレセン Lasse Thoresen の「ハルダンゲル・フィドルの曲に聞こえる」《YR》(名詞で「こぬか雨」形容詞で「群れた」)は、単に民俗音楽からインスピレーションを得たクラシカル音楽というだけでなく、2つの異なる世界を融合させ、新しい表現形式を創りあげた作品です。

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