★“音の吟遊詩人”というべき二つの才能が、親密そのもののコラボレーションで魅了します。ニューヨーク出身のシンガー・ソングライターであるジェシー・ハリスと、ブラジル出身のマルチ・ミュージシャンであるヴィニシウス・カントゥアリアによるデュオ・アルバムです。
★ジェシー･ハリスは、ノラ･ジョーンズの大ヒット作品『Come away with me』のメイン･メンバーにして、楽曲「Don’t Know Why」でグラミー賞の最優秀楽曲賞を受賞した才人。自身のユニットやソロによる活動に加えて、ウィリー･ネルソン、メロディ･ガルドー、ペトゥラ・ヘイデン、ジョン・ゾーンなど様々なミュージシャンとコラボレーションを行ない、友人のイーサン・ホークが監督した映画『痛いほどきみが好きなのに』では音楽担当のほか俳優としても登場しました。
★ヴィニシウス・カントゥアリアは6歳からリオ・デ・ジャネイロで育ち、69年にロック・バンド“オ・テルソ”のドラマーとしてデビュー。78年からカエターノ・ヴェローゾのバンドのレギュラーとなる（ドラムス、ギター、コーラスなどを担当）、83年に初のソロ・アルバム『ヴィニシウス・カントゥアリア』を発表しました。93年にダヂと“チグリス・ヂ・ベンガーラ”結成後、94年ニューヨークに渡り、ビル・フリゼール、ローリー・アンダーソン、デヴィッド・バーン、ブラッド・メルドーらと共演。その創造的な音楽性は、あらゆる音楽ファンから注目を集めているといっても過言ではないでしょう。
★ジェシーは2011年に開催されたノラ・ジョーンズのブラジル・ツアーでダヂと面識を持ち、ダヂの紹介でヴィニシウスと知り合いました。ジェシーはアルバム『サブ・ローサ』にダヂとヴィニシウスを招き、ヴィニシウスもアルバム『アパート暮らしのインヂオ』でジェシーと共演。2013年に入ると、ジェシー、ヴィニシウス、ダヂは“トリオ・エストランジェイロス”を結成。来日公演も大きな反響を集めました。
★デュオ・アルバムを作る案は数年前からあったとのことですが、新型コロナウィルスにより延期に。しかしジェシーの創作意欲は衰えることなく、ヴィニシウスがアメリカに戻ってきたのを機に、レコーディングを開始。ふたりの才能が光るオリジナル曲の数々に加え、名匠ジルベルト・ジルの楽曲M-7も個性豊かにプレイ。ビル・フリゼール、メロディ・ガルドー等の豪華ゲストも、ジェシーとヴィニシウスの世界観にいっそうの深みを加えています。