こちらは、エロール・ガーナー・リマスター・シリーズの9枚目。『Up In Erroll's Room』の翌年にレコーディングされた作品で、3度のセッションから構成されており、ガーナーとマングアル以外はセッションごとにメンバーが入れ代わっています。
　最初のレコーディングは1969年8月7日にシカゴで行われており、ここには1曲のみ収録されていますが、ベースはジェリー・ジェモット、ドラムはジミー・スミスが担当しています。同年11月7日にNYCで行われた2度目のセッションからは4曲収録され、ベースはジョージ・デュヴィヴィエ、ドラムはジョー・コクーゾとなっています。そして、ベースにジョージ・デュヴィヴィエ、ドラムにチャーリー・パーシップが加わった最後のセッションは同年12月2日にNYCで行われ、そこからは5曲をここで聴くことができます。
何の曲が始まるのか皆目見当のつかないアブストラクトなイントロから一気にスウィンギーなテーマへ移行したり、スローなテンポでも目いっぱいビハインド・ザ・ビートを使ってガーナーらしさを出したりと、60年代前半のトリオ時代に劣らぬ元気なガーナーがここにいます。やはり、11曲目の「Not So Fast」は未発表ナンバー。各作品に1曲ずつ発掘演奏が収められているのも嬉しい企画です。