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ベートーヴェン/ピアノ協奏曲全集

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
サー・サイモン・ラトル(指揮)
内田光子(ピアノ)

CD
1

  • ピアノ協奏曲第1番ハ長調Op.15
    (37’51)
  • 録音:2010年2月4日

  • ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.19
    (30’24)
  • 録音:2010年2月10日

CD
2

  • ピアノ協奏曲第3番ハ短調Op.37
    (37’41)
  • 録音:2010年2月10日

  • ピアノ協奏曲第4番ト長調Op.58
    (35’46)
  • 録音:2010年2月20日

CD
3

  • ピアノ協奏曲第5番変ホ長調Op.73
    (39’41)
  • 録音:2010年2月14日

Blu-ray
1

  • ピアノ協奏曲(第1~5番)
  • 【音声】
    2.0PCMステレオ(48kHz/24bit)
    5.0DTS-HD MA(48kHz/24bit)
    収録時間:182分

Blu-ray
2

  • ピアノ協奏曲(第1~5番)
  • 【映像】
    画面:Full HD 1080/60i,16:9
    音声:PCMステレオ,5.0DTS-HD MA
    リージョン:All
    収録時間:203分

ボーナス
映像

  • ボーナス映像(字幕:日本語)
  • 内田光子 ベートーヴェンのピアノ協奏曲について語る(12分)





    収録場所:全てベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)

デジタル
バウチャー

  • ダウンロード・コード
    この商品には、上記全曲のハイレゾ音源(48kHz/24bit)をダウンロードするためのURLとそのパスワードが封入されています。

  • デジタル・コンサートホール
    ベルリン・フィルの映像配信サービス「デジタル・コンサートホール」を7日間無料視聴できるチケット・コードが封入されています。

初回特典

  • 内田光子&ラトルの生写真

概要

 ベルリン・フィル・レコーディングスの2018年リリースの目玉のひとつ、ラトル&内田光子のベートーヴェン、ピアノ協奏曲全曲ツィクルス(2010年録音)が発売されます。
ラトルがベルリン・フィルの首席指揮者を務めていた16年間に、およそ30公演をともにした内田光子。この共演回数は、他のソリストと比べても多く、モーツァルト、ラヴェル、シューマン、メシアン、そして今回のベートーヴェンと定期的にかつ集中的に共演しています。内田光子は1984年にベルリン・フィル・デビューをして以来、オーケストラとも良好な関係を築き、2008/09年シーズンのアーティスト・イン・レジデンスをはじめ、2013年にはフィルハーモニーの開館50周年を祝うガラ・コンサートでゲスト・ソリストとしても招かれています。

 今回発売されるのは、2010年2月に行われたベートーヴェンのピアノ協奏曲ツィクルス。演奏会は4回にわけて行われ、同時にシベリウスの交響曲、リゲティ、クルタークと興味深いプログラムで構成されました。
 ベルリン・フィルによるベートーヴェンのピアノ協奏曲全曲というと、カラヤン時代以来、首席指揮者がお気に入りのピアニストを起用して演奏しています。すなわちカラヤンは、アレクシス・ワイセンベルク、アバドはマウリツィオ・ポリーニと取り上げ、録音も行われました。内田は、ラトル時代に彼と最も多く共演したピアニスト、器楽奏者であり(約30公演)、その成果は、モーツァルト、ラヴェル、メシアン、シューマン、そしてこのベートーヴェンに結実しています。今回のリリースは、内田がベルリン・フィルにとって、最も重要なソリストであることの証左であり、彼女へのオマージュとなっています。内田光子はインタビューで「イギリス人は、ベートーヴェンを“所有”したことがない。だから寛容なのです。それが、私がロンドンに住んでいる理由なのです。」と述べています。自由な表現を許すイギリスに住む内田光子、イギリス人であるラトル、そしてベートーヴェンを“所有”し偉大なる伝統をもつベルリン・フィルという3者の一流のぶつかり合いは間違いなく素晴らしいものです。
 さらに内田光子は、この録音のリリースに際して、「この演奏には説得力があります。本番にしかない本物の生気があります。」と語っているように、この録音には演奏会の生の熱気が凝縮されています。
 当セットには、CD3枚、ハイレゾ音声(48kHz/24bit)が収録されたブルーレイ1枚と、演奏会映像とインタビュー映像が収録されたブルーレイ1枚、さらにハイレゾ音声がダウンロードできるコードと、デジタル・コンサート・ホールの7日間無料視聴チケットが含まれています。そして日本限定初回特典として内田光子&ラトルの生写真が封入されています。

特別寄稿【内田光子は日本人ピアニストか】

 内田光子は、日本人ピアニストだろうか。彼女は、国籍上では英国人で、日本のパスポートは持っていないはずだが、日本生まれであることに変わりはない。しかし我々としては、邦人離れしたキャラクターと音楽性を持つ内田が、いわゆる日本人の枠を超越していると感じずにはいられないだろう。
 しかしそれでも、現在の彼女が存在するのは、日本と西洋、端的にはウィーンとのリンクがあったからだと言える。曰く、「私が日本を出てウィーンに行かなかったら、内田光子という音楽家は存在しなかった」。我々はこの言葉から、彼女がウィーンの音楽伝統を吸収して自分のものにした、だから成功できた、と理解しがちである。しかし事情は、それほど単純ではない。ウィーン、とりわけ彼女の時代のウィーンで、東洋人女性が音楽を学ぶことは、極めて厳しかったはずだ。この町の土壌自体が、本場主義、純粋主義で、排他的だからである。
 彼女が、ウィーンをめぐるインタビューで常に口にするのは、先生や同僚は、皆「モーツァルトはこういうものだ。これが正しい弾き方だ」と言ったということだ。つまり、ウィーン人である自分たちだけがそれを理解し、他所から来た人間には分からない。こうした発言は、外国人に対してのみ言われるわけではなく、オーストリアの地方出身者に対しても発せられるという。他所者には、モーツァルトは理解できない。できたとしても、それはウィーン本来の伝統ではない。こうした純粋主義は、ウィーン人にとってモーツァルトが、「自分のものだった(内田)」からだが、ベルリン生まれグラーツで育ったニコラウス・アーノンクールでさえ、同様の経験をしたらしい。いわんや東洋人をやだが、12歳の内田がウィーンで勉強を始めた時、彼女は自分が紛れもなく「他者」だと認識しただろう。日本にいる時には考えたこともない、大きなショックであったに違いない。
 そこで内田は、そうした壁を越えるために、人一倍の努力をしたはずである。その際問題は、「皆が“モーツァルトはこう弾くものだ”と言いながら、そのすべて違っていた(内田)」こと。もし、正しいモーツァルトがひとつだけ存在し、それをマスターすればいいのではあれば、これほど簡単なことはない。しかし若い学生が、教師に千差万別の正しさを主張されたら、一体何が正しいのかが分からなくなる。そこで、若き内田が見抜いたのは、「私だけの、自分が信じる真実を見つけなければならない」ことだった。
 彼女がウィーンを後にし、ロンドンに行った理由は、まさにそこにあるに違いない。ウィーンにいては、様々な「正しさ」に振り回され、自分を見つけることができない。あるいは見つけたとしても、他所者である限り認められない。しかしイギリスの聴衆は、彼女のモーツァルトを評価し、内田はそこから国際的なキャリアをスタートすることができた。彼女は言う。「イギリス人は寛容です。彼らはモーツァルトを所有したことがない(それゆえ、正しさを主張したりしない)。だから、どの解釈も受け入れることができる」彼女がイギリスに帰化したのは、自分を認めた英国人の寛容さに、感謝しているからではないか。
 しかしそれでも、彼女の音楽的故郷がウィーンであることに変わりはないだろう。彼女はこの町を、「唯一の本当に重要な場所」と呼び、「その音楽伝統は、自分のなかに血として深く流れている」と言っている。なぜなら、彼女はそこで、紛れもなくドイツ・オーストリアの音楽文化を吸収したからだ。興味深いことに内田は、最も重要だったこととして、「ドイツ語を学んだこと」を挙げている。「ドイツ語が話せることは、バッハ、モーツァルト、ベートーヴェン、シューベルトを弾く上で、本質的です」。逆に言えば、そうしなければ、彼女は文化的に日本人のままだった、ということである。こう考えた上で、「私が日本を出てウィーンに行かなかったら、内田光子という音楽家は存在しなかった」という言葉に立ち戻ってみると、真意は自ずと浮かび上がってくる。彼女は、他者としてウィーンに行ったからこそ、「自分のモーツァルト」を問い、それを見つけることができたのである。ウィーン人だからといって、必ず「自分のモーツァルト」が見つけられるわけではない。そして、「ウィーンのモーツァルト」を弾くことよりも、「自分自身のモーツァルト」を弾くことの方が、ずっと難しく、また重要である。
 このように、内田光子というピアニストは、「日本的」ではないものの、紛れもなく日本とウィーンの「緊張関係」のなかから生成してきた。その意味で彼女は、日本というコンテクストとしっかりと結びついているのである。

音楽ジャーナリスト:田中 知樹

内田光子×新 忠篤
「ベートーヴェン:ピアノ協奏曲全集」を語る

ベルリン・フィル・レコーディングス 記者会見 2018年11月5日(月)サントリーホール ブルーローズ(小ホール)
登壇者:
オラフ・マニンガー(ベルリン・フィル ソロ・チェロ奏者/メディア代表)
ローベルト・ツィンマーマン(メディア子会社「ベルリン・フィル・メディア」取締役)
新忠篤(蘭フィリップス・クラシックス元副社長)
通訳:蔵原順子


ツィンマーマン:2009/10年シーズン、内田光子さんはフィルハーモニーのアーティスト・イン・レジデンスでした。そして3週間にわたり、サー・サイモン・ラトルの指揮でベートーヴェンのピアノ協奏曲を全曲演奏しました。実はこのとき、“録音”は念頭になく、“演奏”することのみでした。当時はデジタル・コンサートホールが始まって間もない頃でしたが、私たちは全てのリハーサル、ゲネプロ、本番を録音しており、いつでもリリースができる状態でした。
その後2016年に、ラトルがベートーヴェンの交響曲全集をリリースしました。その際、できればベートーヴェンの全ピアノ協奏曲もセットでリリースできないだろうかという話になり、内田さん、ラトル、ベルリン・フィルが話し合いをスタートさせたところ、非常に素晴らしい演奏会だったため、全員がリリースを快諾してくれました。その結果が、この内田光子さん演奏のベートーヴェンのピアノ協奏曲全集です。
この録音は、ベルリン・フィルにとって一つの伝統の踏襲にもなっています。というのは、1970年代にはカラヤンが、アレクシス・ワイセンベルクとともに5つの協奏曲を録音しており、90年代にはクラウディオ・アバドが、マウリツィオ・ポリーニと同じく全曲を録音しています。そして2000年代にラトルが内田光子さんとベートーヴェンの全ピアノ協奏曲を録音したことで、ベルリン・フィルにおける「ベートーヴェン:ピアノ協奏曲」の伝統が継承されたのです。
本日は内田さんのお話をうかがえるということで、とても楽しみにしております。

あるひとつの出来事の記念品として

内田:どうも、そういうことで内田です(笑)。よろしくお願いします。どうしましょう、新さん、どんな話をしましょうか?

新:内田さんのベートーヴェンのチクルスと言えば、私がまだフィリップスに在籍していたときに、スタジオ録音をやりました。もうかれこれ20年近く前の……。

内田:いえ、20年以上前ですよ。

新:まあ、古い話はもうやめて(笑)、今日は新しい録音について……。

内田:いま、「新しい」とおっしゃったけど、新しくないんですよ、9年前の演奏なんですよ。だから最初は「嫌だ」「蒸し返したくない」って言ったの(笑)。そうしたら、クリストフ・フランケンというプロデューサーが「そんなゴタゴタ言わないで、まあ、聴いてみてちょうだい」って言うわけ。でも「今は忙しいから、あとできっと聴くから」とか何とか言ってたの。その後も何度か「聴いてくれ」って言われたんです。それでついに聴いてみたら、たしかに、本当の生演奏にしかないバイタリティがありましてね。もちろん、今だったら違う弾き方をするところはたくさんありますよ。特に楽譜の音から見ると、いろいろ違うところがある。特に第3番の彼の手稿譜を見ると、これはもう全ての音楽学者が論争しているポイントですけど、今の私ならこっちの道をとるというところが、別の出版譜の道をとっていたりするんですけどね。

でも、プラス・マイナスを差し引きしてみると、殊に当時のベルリン・フィル、当時のサイモン――映像で見ると、まだサイモンが若いわね、そして私も(笑)……その記念として、ひとつの記録として、残す意味はあるなって思ったんです。新しく出すとしたら、また考え直しますよ。ただ、私がベートーヴェンを再び録り直すかって言ったら、そうじゃない。私は録音を何度も繰り返すことが、あまり好きではないし、本当はしたくないんです。はっきり言ってね、それ(録音を繰り返すこと)は演奏家の驕慢だと思うんです。新しい録音のほうが良いかというと、過去の大演奏家の録音を聴いてみても、例えば3回録り直した場合など、最初が一番良いなんてことはよくあるんですよ。ですから、私はあまりやりたくないんです。

この録音は、新しいものとして出していただくというよりも、あの時の記念、ベルリン・フィルとのレコーディングとして、演奏として、そして私が大変好きなサイモン・ラトルという人との共演だったということで、彼は16年もベルリンにいたんですから! そんな2人というか、3人というか、みんながワーッと弾いたものだから、出していただいても構わないんじゃないかな、というところです(笑)。

新:内田さんのファンとして、私は大変うれしいです。

内田:生き生きしてるでしょ! ものすごいバイタリティがある演奏。どうすれば、ある種のものが、ある場で生まれるか? これが演奏の面白さなんですけどね。普段、どうとも思わない演奏家が――どうとも思わないことはないんですよ、もちろん皆さんうまいんですよ(笑)、ある日、舞台にあがると、全然違う音を出すことがあるんです。私の場合でもそうだと思う。サイモンがいるから、出る音があるし、逆にサイモンも、私がワーッとやることで、向こうも突然乗ってきて、いつもと乗りが違うな! ということになるわけ。そういう意味で、あるひとつの出来事の記念品として、出していただくということです。

私の全ての演奏は、どれも絶対性はないんです。私にとって絶対性があるのは、「楽譜に書かれたもの」だけです。我々のような演奏家は、生まれてきては、そのまま消えていく存在なんです。だから絶対的なものなんて本当は何もないんだけど、そうは言っても、この共演は良いものだったかなあ、というところじゃないでしょうか(笑)。

ところで、新さんと私は80年代の初めに出会ったんですよね?

新:そう、内田さんのレコード会社がまだ決まってなかった頃で、私がフィリップスの日本マーケットの責任者をしていたときです。当時、オランダの本社には、エリック・スミスという大プロデューサーがいて、彼といろんなマーケットの話をしていました。レパートリーや音楽のことを語らせて、彼の右に出る者はいないんですけれど、じゃあ、マーケットをどうするのか? という話になったとき、私はどうしても日本では内田さんが欲しかったのです(笑)。それで、こんな話をしたら叱られるかも知れないんですけど……最初、内田さんに「録音したいものは何?」って尋ねると、「シューベルト」って言ったんですよね。

内田:そう! 私もそうだったし、エリックも私とシューベルトを録りたかったのよ。

新:でも、そのとき、私は「シューベルトはちょっと先にしませんか。シューベルトだと、せいぜい頑張っても5千枚くらいしか売れない、ちょっと多めに盛ってます(笑)。モーツァルトだったら、5万から10万は売れますよ」という話をしたんです。

内田:その話、私はエリックから聞かされました。自分としては、シューベルトのソナタ、特にト長調のソナタを録音したいと思っていた。エリックも私とシューベルトを録りたくて、自分のレコード会社に引っ張ろうとしてたわけ。そうしたら「光子しょうがないね。新さんが言うことは正しいから、まずはモーツァルトを録音しよう」ってことになったの。その頃ちょうど、ピーター・シェーファー(原作)の『アマデウス』という映画が出て、全ての人の興味がモーツァルトに移っていたんです。だから「モーツァルトを録れてちょうだい」ってことになった。すると、最初に出したレコードが、売れちゃってねえ(笑)。それで、「悪いけど、このままちょっと続けてちょうだい」って……。次のシューベルトはもう決まってるのに、そのまま5年、7年とモーツァルトが続いていったんです(笑)。

そんなこともあって、ベートーヴェンには、なかなか行き着かなかった。ベートーヴェンは90年代になって、ある日突然、気がついたように、「ベートーヴェンをクルト・ザンデルリンクさんと、どうしても録音しておきたい!」って思ったんです。それで、その旨を申し出たら、O.K.が出たので、録音したんです。ですからあの演奏は、私が自分でベートーヴェンを弾けると思ったからというより、クルト・ザンデルリンクという指揮者と一緒に録りたかったということで、成立したものなのです。

不思議ですね。ベートーヴェンの作品で、本当に自分の意志で録ったのは、最後のソナタだけです。最後の5つのソナタ、これは自分で絶対に録りたいと思って、録りました。一方、今回のピアノ協奏曲は“出来事として在ったもの”なんですね。それをあとになって聴いてみたら、玉手箱から出てきたみたいに、「あっ!」と思って、案外良かったなって(笑)。それでO.K.させていただいたという代物です。だから人生というのは、この通り、これをやりたいと思ってやってきた出来事もあれば、偶然、そうなったこともあるんですね。

新:今、ベートーヴェンの後期のソナタの話が出ましたが、内田さんがウィーンで勉強されていたとき、たしか13歳かな? ハンマークラヴィーアを弾いたのは……。

内田:13歳のとき、ハンマークラヴィーアじゃなくて、作品109ですね。

新:作品109、第30番ですか、それを弾いた録音を聴かせていただいたことがあるんです。驚きましたねえ。

内田:あれはねえ、本当言うと、14歳だったかな、13歳最後の日か、14歳最初の日か、その辺なんです。それでね、あれ以降、私は109という曲を何度も弾いて、ある程度わかったかなと思ったら、その後20年間、まったく弾けない状態になったんです。あれ(作品109)は、最後の3つのソナタのなかでも一番弾くのが難しい。表面は案外柔らかい感じなんですけど、複雑怪奇で、内容的に本当に難しい曲なんです。ですから、それが何とか様になるかなあと思ったときに、レコーディングしました。途中の20年は、まったく弾けなかったのです。子どものほうが純真に弾けるもんなんですね。

新:そういうものですか。

内田:いつか、あの演奏を聴いてみて、もしも良かったら、出してみようかな……ということにしたいですね。そうはうまくいかないでしょうけどね。

新:出してもいいんですか?(笑)

内田:いやぁ……(笑)。今度のベートーヴェンは出していただくということで、腹を括ってます(笑)。  ベルリン・フィルには、ある種の“力”というものがあるんです、言うなれば“怪物”ですね、このオーケストラは。だから怪物と一緒に弾く楽しさというのが、すごくあった。でも、サイモン・ラトルが怪物かというと、私はベルリン・フィルのほうが怪物だと思いますよ(笑)。

ところで、新さんが何をしてらっしゃるのかというと、オーディオの専門家なんですよ。今は機械のほうに興味がおありみたいだけど、大変面白い方なんです。古いレコードのことなんて、考えられないほどよく知っていらっしゃって、新さんにはどれだけ助けられたか、わからないですよ。最初に話したプロデューサーのエリック・スミス――この人もただのプロデューサーではなかった。シューベルトを録ったとき、特に後期のソナタのときは、彼が涙を浮かべてくれなかったら、「これはまだ(ダメ)だな」って思わなきゃいけなかった。そういう人たちが私の身近にいてくれたことは、大変幸せだったと思います。だから、全ての演奏・録音は、その時々の出来事であって、先ほどと同じ話になりますけど、「絶対性は楽譜だけに残る」ということだと思います。

ボンにあるベートーヴェン・ハウスの地下室には、彼らが持っているベートーヴェンの手書きの楽譜が保管してあって、原爆が落ちても、世界中が無くなっても、ベートーヴェンの楽譜だけは全て無事に生き延びるという、そんなシェルターがあるんです! 万が一、人類が完全に消え去ったとき、ベートーヴェンの手稿譜が残ったとしても、それにどれほどの意味があるかということは、私は怪しいと思うんですよ(笑)。ただ、書かれたもの、それが我々にとって本当に全てなのです。そうはいっても、ただの楽譜、我々みたいな人間が見てる楽譜だけでなく、音として聴きたいんですよね。ですから、それ(楽譜)を音として人と分かち合うための存在、それが演奏家の存在意義だと考えています。

ツィンマーマン:最後に、少し補足させていただきます。このレーベルを起ち上げて4年になりますが、基本的には交響曲を録音・リリースするためにレーベルを起ち上げました。そうしたなか、器楽奏者の方に入っていただいた録音としては、今回の内田さんとのベートーヴェンのピアノ協奏曲が、事実上、初めてになります。それほどこの演奏は、私たちにとって大変エキサイティングな出来事でした。なぜそれほど大切で、エキサイティングなのか? なぜ内田さんなのか? という点は、一聴していただければ、おわかりいただけると思います(笑)。

  

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団商品一覧

チャイコフスキー:交響曲第6番≪悲愴≫

チャイコフスキー:
交響曲第6番≪悲愴≫

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
キリル・ペトレンコ(指揮)
品番:KKC-6029

価格:¥3,241+税
形態:SACD Hybrid
直輸入盤・日本語帯解説付

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フルトヴェングラー 帝国放送局(RRG) アーカイヴ 1939-45

ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
品番:KKC-5952/73

価格:¥32,407 + 税
形態:22SACD Hybrid+1DVD
直輸入盤・日本語帯・解説付

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ベートーヴェン:ピアノ協奏曲(全曲)

サー・サイモン・ラトル、内田光子
品番:KKC-9372/6

価格:¥10,000+税
形態:3CD+2Blu-ray
直輸入盤・日本語帯・解説付

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マーラー:交響曲第6番

サー・サイモン・ラトル
品番:KKC-9351/3

価格:¥8,333 + 税
形態:2CD+Blu-ray
直輸入盤・日本語帯・解説付

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ベートーヴェン: 交響曲全集

サー・サイモン・ラトル
品番:KKC-5925/9

価格:¥7,000+税
形態:5SACD Hybrid
直輸入盤・日本語帯・解説付

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アジア・ツアー2017~ライヴ・フロム・サントリーホール

サー・サイモン・ラトル ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
品番:KKC-9327/32

価格:¥11,000+税
形態:5SACD Hybrid+1Blu-ray
直輸入盤・日本語帯・解説付

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クラウディオ・アバド~ザ・ラスト・コンサート

クラウディオ・アバド(指揮)
品番:KKC-1112

価格:¥18,000+税
形態:3LP
直輸入盤・日本語帯・解説付

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クラウディオ・アバド~ザ・ラスト・コンサート

クラウディオ・アバド(指揮)
品番:KKC-5861

価格:¥4,500+税
形態:2SACD Hybrid
輸入盤・日本語帯・解説・歌詞対訳付

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ジョン・アダムズ・エディション ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

ジョン・アダムズ ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
品番:KKC-9271/6

価格:¥13,000+税
形態:4CD+2Blu-ray
直輸入盤・日本語帯・解説付
レコード芸術特選盤

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シベリウス:交響曲全集

サー・サイモン・ラトル(指揮)
品番:KKC-9137

価格:¥13,000 +税
形態:4CD+2Blu-ray
直輸入盤・日本語帯・解説付
レコード芸術特選盤

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シベリウス:交響曲全集

サー・サイモン・ラトル(指揮)
品番:KKC-5823/7

価格:¥7,000 + 税
形態:5SACD Hybrid
直輸入盤・日本語帯・解説付

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シューベルト・エディション(交響曲全曲、ミサ曲、オペラ)

ニコラウス・アーノンクール(指揮)
品番:KKC-5445/53

価格:¥16,000+税
形態:8CD+1Blu-ray
直輸入盤・日本語帯・解説・歌詞対訳付、日本語字幕付
レコード芸術特選盤

2015年度 「第53回」 レコード・アカデミー賞 大賞受賞作品 / 大賞 交響曲部門

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シューベルト:交響曲全集

ニコラウス・アーノンクール(指揮)
品番:KKC-5791/95

価格:¥7,000 + 税
形態:5SACD Hybrid
直輸入盤・日本語帯・解説付

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シューベルト:交響曲全集

ニコラウス・アーノンクール(指揮)
品番:KKC-1054

価格:¥32,407+税
形態:8LP 180g 限定盤
直輸入盤・日本語帯・解説付

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ベートーヴェン:交響曲全集 (ベーレンライター版/ジョナサン・デル・マー校訂版)

サー・サイモン・ラトル(指揮)
品番:KKC-9151

価格:¥13,000+税
形態:5CD+3Blu-ray
直輸入盤・日本語帯・解説付
レコード芸術特選盤

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ベートーヴェン:交響曲全集

サー・サイモン・ラトル(指揮)
品番:KKC-1070/79

価格:¥46,296 + 税
形態:10LP
直輸入盤・日本語帯・解説付
レコード芸術特選盤

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シューマン:交響曲全集

サー・サイモン・ラトル(指揮)
品番:KKC-9083

価格:¥9,000+税
形態:1Blu-ray Disc Video & Audio+2CD
直輸入盤・日本語帯・解説付
レコード芸術特選盤

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シューマン:交響曲全集

サー・サイモン・ラトル(指揮)
品番:KKC-5461

価格:¥5,200+税
形態:2SACD Hybrid、デジパック仕様
直輸入盤・日本語帯・解説付
レコード芸術特選盤

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クラウディオ・アバド~ザ・ラスト・コンサート

クラウディオ・アバド(指揮)
品番:KKC-9149

価格:¥7,500+税
形態:2CD+Blu-ray
直輸入盤・日本語帯・解説付
レコード芸術特選盤

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ヨハン・セバスティアン・バッハ:「ヨハネ受難曲」

サー・サイモン・ラトル(指揮)
品番:KKC-9098/100

価格:¥6,900+税
形態:2DVD+1BD 豪華美麗ハードカバー装丁
直輸入盤・日本語帯・解説付
レコード芸術特選盤

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ヨハン・セバスティアン・バッハ:「マタイ受難曲」

サー・サイモン・ラトル(指揮)
品番:KKC-9101/03

価格:¥6,900+税
形態:2DVD+1BD 豪華美麗ハードカバー装丁
直輸入盤・日本語帯・解説付

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キングインターナショナル