ソロ

現代最高峰のピアニスト自らが<in the Zone>と語った演奏
精神、知性、テクニック-すべてが完全に集中した奇跡の一夜
ジョニ ・ミッチェルの名曲の詩と共鳴するフレッド・ハーシュ
感動のラストはもちろん、すべてがミラクル!

  • アーティスト:フレッド・ハーシュ
  • レーベル:PALMETTO RECORDS
  • 品番:KKE-050
  • 原盤品番:PM-2180
  • 国内盤:(国内仕様)
  • ジャンル:ジャンルジャズ
  • 価格:¥2,530 (税込)
  • 形態:CD
  • 付属品:日本語帯、解説付

TRACK LIST

フレッド・ハーシュ / ソロ

1. Olha Maria / O Grande Amor(Jobim)
2. Caravan(Tizol)
3. Pastorale(for Robert Schumann)(Hersch)
4. Whirl(for Suzanne Farrell)(Hersch)
5. The Song is You(Kern)
6. In Walked Bud(Monk)
7. Both Sides Now(Mitchell)

★現代最高峰のピアニスト、フレッド・ハーシュによる2014年8月NYでの筆舌に尽くしがたいソロ・コンサートを作品化したアルバム。
★HIVに起因した重篤な状況、そして、奇跡の復活、ということで語られてきた近年のフレッド・ハーシュでありつつ、今では、そんなタフな状況があったことも忘れてしまいそうでもあります。しかし、病を超えたからこその、自然な境地での深遠なハーシュの音楽に、NYのジャズ関係者は、復帰後のフレッド・ハーシュこそが素晴らしいと語ってきたものでした。そして、本作は、正に、その境地から生まれた奇跡の演奏の記録といえましょう。
★というのも、本作は、フレッド・ハーシュ自らも、ライヴ・レコーディングにおいて最高レベルの類まれなる記録となったと語るものなのです。
★通算10作目のソロ作品。そして『Let Yourself Go: Fred Hersch at Jordan Hall』『Fred Herssch in Amsterdom:Live at the Bimhius』『Alone at the Village Vanguard』に続く4作目のソロ・ライヴ音源。そして、ヴァンガードでの録音を除く2作品は、レコーディングを意図せず、アーカイヴとして録音していたドキュメンタリー的な音源だったとのことで本作はその偶然が生んだ3作目の録音。しかし、それらは、類まれな瞬間をとらえたもので、フレッド・ハーシュ曰く”In the Zone”と表現する、”心、精神、知性、そしてテクニックすべてが完全に集中している状況の演奏”であり、実に本演奏も、その状況にあった、とのことです。
★決して妥協というものを許さず、求道的なまでに、ピアノに向き合うアーティストがフレッド・ハーシュ。そのアーティストが自らそこまで表現するのですから、内容は、これ以上説明するまでもありませんが、全7曲は本当に比類なき世界観を湛えて響きます。
★喜怒哀楽や不安-喜びのような複雑な感情~サウダージが織りなされたジョビン・ナンバーを、極めたハーモニーとメロディ、タッチ、妙なるニュアンスで描き上げて行くオープニングから、正にフレッド・ハーシュの美的世界・・。いい環境と、いい楽器に囲まれて、その日は夕方まで自分の好きな曲を演奏するということしか決まっていなかったとのことですが、エリントン縁のキャラヴァン、そして、シューマンの世界に入り込み、そのエッセンスを見事に描き出したオリジナルパストラーレ、復帰第一作のタイトル曲ホワール、ジェローム・カーンとモンクによるスタンダード・・どの曲もいつものフレッド・ハーシュのなじみのレパートリーの中でありながら、この一瞬しかあり得ない演奏があります。
★そして・・ラストはジョニ・ミッチェルの青春の光と影。
☆「15歳のころからジョニ・ミッチェルの曲を演奏してきた」、と語るハーシュは、これまでにも、マイ・オールド・マンや、リヴァーといった曲を収録した作品をリリース。どれも名曲名演ですが、この演奏には、特別な共鳴が広がります。
☆原曲にさかのぼれば、青春の光と影はジョニ・ミッチェルの曲の中でも特に含蓄深いメッセージが込められた名曲。美しいメロディもさることながら、比喩を通して、人生を深く問いかける中の一節では、こんな場面も・・・。“失ったものもあるし得たものもある・・・しかし本当に何ひとつわかっていません、人生のことは何一つ”。一方、ハーシュは、2ヵ月の昏睡状態を経て、すべてを失ったから、今がある、とも語る存在。そして実際、ハーシュに聞いてみれば・・こんな言葉が。「ジョニ・ミッチェルから、様々な意味で非常に大きく影響を受けてきた。」その中で、「この青春の光と影を演奏する時はいつも、詩の言葉を考えます。~若い時のエネルギーに満ちた時の感覚と、その後、より内省的となった感覚と、双方の彼女の表現を思いながら」・・・。
☆フレッド・ハーシュの演奏には、どんな曲にも、ある種の物語や切実な思いが滲むものですが、そんな曲への共感や、生への問いもあるからでしょう。美しく甘美、一方、哀しく諦観にも似た切なさも混じりながら、しかし、歓喜にも満ちた8分あまりの演奏は、深い余韻をのこし、静かに幕を下ろします。
★2010年代、屈指のピアノ・ソロの誕生。偶然にして必然の傑作・・またの来日が待たれます。

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