シューマン:交響曲第3番「ライン」、ハイドン:交響曲第86番

2017年最新リマスタリング
ブルーノ・ワルター
~ウィーン、ロンドン、そしてニューヨークへ

  • アーティスト:ブルーノ・ワルター
  • レーベル:OPUS 蔵
  • 品番:OPK-2120
  • ジャンル:ジャンルクラシック交響曲
  • 価格:オープン価格
  • 形態:CD
  • その他の製品情報:モノラル

TRACK LIST

①ワーグナー:ジークフリート牧歌

②ハイドン:交響曲第86番 ニ長調

③シューマン:交響曲第3番 変ホ長調 Op.97「ライン」



ブルーノ・ワルター(指揮)

①ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、②ロンドン交響楽団、③ニューヨーク・フィルハーモニック

録音:①1935年、②1938年、③1941年

演奏解説:宇野功芳


★宇野功芳先生追悼シリーズの締めとして、ワルターがアメリカに移ってからの録音で、最初の高い評価をされたシューマンの交響曲「ライン」をSPレコードから復刻しました。組合せはナチスのオーストリア併合でヨーロッパを離れる過程で録音したロンドン響とのハイドン、ウィーン時代の「ジークフリート牧歌」を組みました。(2017年-新リマスター)
★「ライン」は当時アメリカで多用されてきた長時間録音可能なアセテート盤に録音したものをもとにSPレコードを作ったもののようです。SP録音時の細切れ録音と違い音楽全体に流れがあります。米コロンビアはLPの開発に力を入れており、その開発段階の録音だったのでしょうか。(オーパス蔵 相原了)

宇野功芳氏解説からの抜粋

<ハイドン:交響曲第86番>
 ハイドンの「第86番」はウィーンを追われたあと、同年9月13日にロンドン交響楽団を振って録音されたもので、「第99番」同様ほとんど演奏されないが、ぼくの愛惜する逸品だ。
 第1楽章のワルターは序奏部から微笑みの音と歌が満ち、第2楽章は落ち着いたテンポで歌にあふれているが、この時代のワルターのしゃれた味わいを保ち、音楽を完全に自分のものとして物語を進めてゆくうまさは、前述のシューリヒトとともに最高峰の名に値する。
 メヌエットは遅めだ。トリオで気分を変えるのも見事だが、この楽章だけはワルターならばもっと出来そうである。しかし、わずかな不満はフィナーレで完全に解消される。第一楽章に対応した格別に速いテンポと、それに伴う敏感なリズム、しかも一本調子に陥らない気分の変化は、やはり若きワルターの心の爆発であり(62歳)、ロンドン交響楽団が彼らとしてはベストの雄弁さでこれに応えてゆく。

<シューマン:交響曲第3番「ライン」>
 「エロイカ」(注:1941年1月録音)と同時期の録音にもかかわらず、このほうは非常な名演奏だ。
・・・とくに遅いテンポでゆったりと揺れるようなカンタービレをみせる第2楽章もロマンの極みだ。第1楽章と共にワルターの最も上出来な部分といえよう。そして終楽章では見得を切るようなルバートさえ現われ、やがて荒れ狂うコーダへ進んでゆくのである。
 オーケストラの固さもここではプラスに作用し、当時のワルターとしては造形がすこぶる雄大で立派だ。・・・アメリカのオーケストラの威力を楽しんで、のびのびと棒を振った結果が「エロイカ」では失敗し、「ライン」では成功したのであろう。

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